論文・レポート
論文・レポートの作成法について記します。
文献引用の方法には,大きく2種類あります。一つは,本文中では著者名と刊行年で文献を特定し,末尾の文献一覧に書誌情報を記載する方法です。もう一つは,本文中に注を付けて,脚注に書誌情報を記載する方法です。ここでは,便宜的に前者を一覧方式,後者を脚注方式とよぶことにします。
一覧方式では,すべての文献の書誌情報が末尾の一覧表に集約されるため,引用文献の一覧性が確保されます。その反面,文献を確認するためには末尾の一覧表を参照しなければならない,という点がやや煩瑣です。
脚注方式では,引用文献の書誌情報がページの下に表示されるため,ページをめくらなくても文献が把握できるという便利さがあります。その反面,同一の文献を繰り返し引用する場合は,どの文献に遡るのかを特定するための工夫が必要となります。
いずれの方式を採用するかについては,学問分野によって慣習が異なりますし,学術雑誌では,投稿規程によって文献引用の方法を指定していることが多いです。一般的な傾向としては,一覧方式の利用が拡大してきているように思われます。
ただし,行政レポートや史料などのなかには,著者が特定しにくい,または特定できても非常に長いなど,一覧方式にはなじまないタイプの文献もあります。一覧方式を採用する場合でも,この種の文献については脚注を併用した方がよいこともあります。